映画｢明日への遺言｣｜信念と責任を貫いた上司の生き様【無料で見る方法も紹介】

｢明日への遺言｣は、2007年に公開されたヒューマンドラマ映画です。

B級戦犯として裁判にかけられながらも、自らの責任と信念を貫いた岡田資中将の生き様を描いています。

この作品を見れば｢岡田中将のような上司が欲しい！｣と誰もが思うはずです。

それほどまでに、岡田中将は気高く美しい生き様を見せてくれるのです。

この記事では、本作の見どころに加え、無料で見る方法も紹介していきます。

作品情報

概要

第2次大戦後の戦犯裁判で、自らの責任と信念を貫き、敵であったアメリカ人の心をも動かした東海軍司令官・岡田資(たすく)中将。

本作は、その岡田中将の生き様を描いた長編小説｢ながい旅｣(大岡昇平)を原作に、｢博士の愛した数式｣の小泉堯史監督が構想15年をかけて映画化した作品です。

本作は、岡田中将をベテラン藤田まことさんが熱演し、夫を見守る妻の役は富司純子さんが演じ、そのほか、西村雅彦さん、蒼井優さん、ナレーションの竹野内豊さんなど、豪華キャストが共演していることでも話題になっています。

スタッフ・キャスト

あらすじ

第二次世界大戦末期、B29爆撃機の編隊が名古屋に空爆を行います。

撃墜されたB29の搭乗員は捕虜となりますが、東海軍司令官の岡田資中将は、捕虜を略式裁判で処刑します。

戦後、岡田中将はB級戦犯として、部下19人とともに捕虜に対する殺人の罪で裁判にかけられます。

裁判を行うのは、バーネット検察官、裁判長のラップ大佐をはじめ、戦勝国のアメリカ人です。

岡田中将は、法廷闘争を法による戦い、“法戦”と呼び、アメリカ軍の空爆は国際法違反であること、全ての責任は処刑の指示を下した自分にあることを主張していきます。

部下を守り全てを背負う覚悟を見せた岡田中将の姿勢は、やがて敵国であったアメリカ人の心までも動かしていきます。

見どころ

部下を守り抜く上司の姿

裁判の場において、岡田中将は部下を守り抜くという決意を固め、B29の搭乗員を処刑した責任はすべて自分にあるという立場を貫きます。

岡田中将は、｢日本軍では、明らかに無差別爆撃を行った戦犯容疑者に対しては、略式裁判を行う方針としている｣と主張したうえで、｢その当時の状況から略式裁判を採用し、搭乗員の処刑を命じたのは自分である｣と証言します。

さらに、日本軍の命令系統について触れ、｢部下が行ったすべての行為について、責任を取るのは司令官である自分であります。｣と説明しています。

また、部下が軍刀で搭乗員を斬首したことが問題となりますが、日本では、軍刀による斬首は銃殺と同じ名誉ある死であると説明し、｢ここにいる参謀副官から軍刀使用の命令が出たとしても、その命令は自分、この司令官が出したのと同じである。｣と発言しています。

処刑を実行したのは部下なので、岡田中将は｢自分は知らなかった｣という証言をしようと思えば出来たはずです。

岡田中将はそうすることはせず、最後まで部下を守って上司としての責任を果たそうとしました。

この姿勢は、サラリーマンなら誰でも心を動かされるはずです。

岡田中将のような上司がいてくれたらと、心から思います。

職場においても、自分で責任を取りたがらない上司は一定数います。

そのような上司は、トラブルが起こった際に、自分よりも上の上司に対し｢私も言ったんですけど…｣という言葉を口癖のように連発します。

｢自分はちゃんと部下に説明した、デキないのは部下が悪い、だから自分のことは責めないで下さいね。｣という理屈なんですね。

そんな上司は、本作で岡田中将の姿勢をよく見てほしいですね。

｢報復｣ではなく｢処罰｣

岡田中将の姿勢は、敵であったアメリカ人の心も動かしていきます。

ラップ裁判委員長は、なんとか岡田中将に助け舟を出そうと、米軍陸戦法規357条の＜生命もしくは財産を不法に侵害された時、報復を認める＞という規定を持ち出します。

つまり、搭乗員の処刑という行為が、違法行為に対する｢報復｣であれば、それは米軍陸戦法規で揉められていることでもあり、減刑の可能性もあることを示唆したんですね。

しかしながら、岡田中将は｢報復ではありません、処罰です。｣ときっぱりと答え、減刑のチャンスを自ら放棄します。

もしここで、搭乗員の処刑が｢報復｣だと認めたら、岡田中将がこれまでに主張してきたことがウヤムヤになってしまうでしょう。

それは、｢アメリカ軍の空爆は民間人に対する無差別攻撃であり国際法違反である｣、｢国際法を犯した者に対しては、略式裁判による処刑を行うことは正当な行為である｣という主張です。

岡田中将は減刑の可能性を捨てても、最後まで自分の主張を貫いたのです。

そして何よりも、｢報復｣をするという行為は、｢やられたらやり返す｣という人間としては一段低い行為です。

｢処罰｣ならば、法のルールに則った正当な手続きということになります。

相手が憎いから｢報復｣したのではなく、自分たちは国際法を守り日本陸軍が制定した軍律の精神を遵守するという、まっとうな人間であることを伝えたかったのではないでしょうか。

フェアな裁判

そして、岡田中将の弁護を務めたフェザーストン博士も忘れることができません。

アメリカ人でありながら中立の立場を貫き、岡田中将を徹底的に弁護していきます。

圧巻なのは、弁護側の証人として日本人の空襲被害者を招き、アメリカ軍の空襲は戦争犯罪であることを立証しようとしたことでしょう。

同じアメリカ人であるバーネット検事からも｢米軍全体を裁くのか！｣と言われてしまうほどです。

フェザーストン博士は、法律というルールのもとでは、人種も国家も関係なく全てが平等だという考えを示しています。

例え敵国の戦争犯罪人だとしても、しっかりと弁護の機会が与えられるのです。

アメリカ人という立場を超えて、個人として誠実な仕事をする姿勢が深い感銘を与えてくれますね。

作品の配信状況と、オススメの動画配信サービス

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まとめ

本作を見ると、岡田中将の気高い生き様に心を打たれます。

部下を守り、自分の責任を全うするという、理想の上司という形容詞では足りないほどの高潔な人格者なのです。

こんな上司が欲しいと、心からそう思いますね。

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