仕事や家庭、人間関係など、人生においては、どんな人でも不安を感じることがあるでしょう。
確実な未来の予測が出来ない以上、誰しも不安な感情はつきまとうものです。
もちろん、不安な感情といっても悪いことばかりではなく、将来起こりうるトラブルやミスを回避するのに役に立つこともあります。
大切なことは、不安な感情に振り回されず、しっかりと向き合っていくことなのです。
後編でも引き続き、不安との向き合い方が分かる本を紹介していきます。
『心配ごとや不安が消える 「心の整理術」を1冊にまとめてみた』 松原正樹
著者は、有名な禅僧の松原泰道氏の孫にあたります。
著者も禅僧として、アメリカで日本仏教の講義を行っており、マインドフルネスの活動にも携わり、グーグルをはじめとする企業で禅についての講義も行っています。
本書は、著者の人生経験や修行体験に基づき、禅とマインドフルネスの考え方を取り入れ、不安に対処する「心の整理術」をまとめたものとなっています。
「心配事の9割はあなたの心が作り出した『思い込み』」「マウントとラベリングをしなければ、人間関係は断然、楽しくなる」など、心を軽くするための知恵がいくつも紹介されています。
つい不安や心配事に振り回されてしまうという方に、オススメの一冊となっています。

『不安が覚悟に変わる 心を鍛える技術』 秋山ジョー賢司
著者は、エグゼクティブ・コーチとして、会社経営者や元プロアスリートなどを中心に、年間500回以上のセッションを行い、講演・講習なども行っています。
本書は、著者がセッションや講演・講習で伝えているプログラムをもとにしたものであり、行動心理学、購買行動モデル、解剖生理学などを取り入れた「不安を覚悟に変える技術」を伝えるものとなっています。
本書では、不安の正体を科学的な根拠を元に解明し、偽りの自分から脱出する方法や不安が覚悟に変わる心の鍛え方など、不安に対処するための方法を詳しく解説しています。
紹介されているワークも、実践的で取り組みやすいものとなっています。
不安ばかりで自信が持てないという人に、自分を見つめ直すきっかけを与えてくれる一冊となっています。

『不安な自分を救う方法』 柳川由美子
著者は、不安専門家カウンセラーして、これまで8,000人以上の心のケアを行い、パニック、うつ、不安などを根本から改善して薬に頼らない生活を送れる「安心マインドプログラム」を提供しています。
本書では、心理学や脳科学的な根拠に基づくセルフケアの方法の中から、クライアントからの評価が高かったものを厳選し、62個の方法としてまとめています。
「自信が無くて不安・対人関係の不安」がたちまち消える方法や、モヤモヤした不安がスーッと消える方法など、各ケースに対応したケアの方法を紹介しています。
紹介されている方法は手軽に取り組めるものばかりで、出来そうなものから試してみるだけでも、前向きに生きるためのヒントが掴めるでしょう。
『マンガでわかる「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』 大嶋信頼 森下えみこ
著者の大嶋信頼氏はブリーフ・セラピーのFAP療法(Free from Anxiety Program 不安からの解放プログラム)の開発者であり、心理カウンセラーとしてトラウマをはじめとした多くの症例の治療を行っています。
本書は、大嶋氏のベストセラー『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』を人気漫画家の森下えみこ氏が漫画化したものです。
本書では、ちょっとしたことで不安になってしまうという悩みを抱えている方に向けて、不安になりづらくなる具体的な方法を、漫画形式で分かりやすく解説しています。
「すぐに不安になってしまう」理由を解き明かしたうえで、頭の中がスーッと静かになる魔法の言葉、悪い妄想を断ち切る方法など、不安への対処法を解説しています。
不安な気持ちに悩まされているという方に、オススメの一冊となっています。

『不安に負けない気持ちの整理術 ハンディ版 (特装版)』和田秀樹
著者は精神科医であり、多数の書籍を出版しているベストセラー作家でもあります。
本書は、著者が多数の著書で紹介してきた森田療法の考え方をベースにした心の健康法を、分かりやすく一冊にまとめたものです。
本書では、森田療法の考えを取り入れ、不安をなくすのではなく、不安を受け入れるというアプローチから、不安と正しく向き合う方法を紹介しています。
例えば、不安を感じるのは「生の欲望」があるためであり、不安は健康で幸せに暮らすための行動のモチベーションになると説いています。
このように、不安を受け入れてエネルギーに変えるという考え方は、現実的で取り組みやすい方法ですね。
不安という感情に振り回されず正しく向き合うために、本書はオススメの一冊となっています。

『不安な時代をどう生きるか』 本田健
著者は、代表作『ユダヤ人大富豪の教え』『20代にしておきたい17のこと』など、著書200冊以上、累計発行部数800万部を超えるベストセラー作家であり、「ライフワーク」「ワクワクする生き方」などをテーマにした1000人規模の講演会やセミナーを全国で開催しています。
本書では、不安とは何か、どうして不安を感じるのかというメカニズムを考察し、人間関係やお金、仕事など、不安と上手に付き合っていく知恵を伝授してくれます。
特に印象に残ったのは、「自分らしく生きていると、不安を感じる時間が減っていく」と語っているところです。
自分のやりたいこと、好きなことを忙しく追いかけている人には、不安を感じる暇がないということなんですね。
日々仕事に追われ漠然とした不安を抱えているサラリーマンの方は、本書を読むことをオススメします。
『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』 精神科Tomy
著者は日本精神神経学会の専門医であり、『精神科医Tomyが教える心の荷物の手放し方』など、多数の著書があります。
2019年から投稿を始めたツイッターでは大きな反響を呼び、フォロワー38万人を超えています。
本書は、著者のツイッターから「不安が吹き飛ぶ言葉」を厳選し、221の言葉として書籍化したものです。
短い文でカード形式になっており、「人間関係は実は改善しなくていい」「強くなる方法はこだわりを減らすこと」など、心を軽くする考え方がいくつも紹介されています。
不安になった時や心が疲れているときに、是非読みたい一冊となっています。

『マンガでわかる 心の不安・モヤモヤを解消する方法』大野裕
著者は、認知行動療法の第一人者である精神科医です。
認知とは、「ものの見方」のことであり、認知行動療法とは、認知に働きかけて心のストレスを軽くしていく治療法です。
著者は、不安を感じること自体は悪いことではなく、適度な不安はパフォーマンスを高めると述べています。
大切なのは、不安をうまく利用して上手に付き合っていくということなのです。
そのために役立つ認知行動療法の考え方を、本書では漫画形式で分かりやすく解説しています。
不安が起こるメカニズムや、不安に対処する方法が詳しく解説されており、不安と上手に付き合うコツが分かってきます。
仕事をする中で不安やモヤモヤを感じたときに、大きな助けとなる一冊です。
