戦争映画とは、ただ単に戦闘シーンを繋いだだけの映画ではありません。
そこには、組織で働く人々の姿を描いた濃密な人間ドラマがあるのです。
サラリーマン目線で見ると、自分の仕事にも重なる場面があり、より深く共感できるようになっています。
そこで、この記事では「サラリーマンに刺さる戦争映画」というテーマで、洋画の中から5つの作品をピックアップしていきます。
今回の記事では、南北戦争~第一次世界大戦までの近代戦争を題材にした作品を取り上げます。
- 「グローリー」
- 「アパッチ砦」
- 「突撃」
- 「アンダー・ウォー 史上最大の地下爆破作戦」
- 「西部戦線異状なし」(1930)
サラリーマンに刺さる戦争映画 5選 (洋画・近代戦争編)
「グローリー」
南北戦争において実際に存在した、アメリカ合衆国初の黒人部隊の活躍を描いた作品です。
本作は、人種を超えた信頼関係を築いた1人の指揮官の姿を描いており、管理職になったばかりの方にもオススメしたい作品です。
主人公のショー大佐(マシュー・ブロデリック)は、名門出の若きエリート将校です。
黒人部隊の指揮官を任され、志願兵たちを厳しく鍛えることに戸惑いを見せますが、古参の鬼教官・マルケイ曹長(ジョン・フィン)にその甘さを指摘されます。
なぜなら、軍隊という組織には規律を徹底する厳しさが必要だからです。
そうでなければ、部下たちを犬死にさせてしまうのです。
そのことに気付いたショー大佐は、志願兵たちを厳しく鍛え上げ、幼馴染で親友の間柄の黒人にも毅然とした態度で接し、やがて彼らとの間に人種を超えた信頼関係が生まれていきます。
優しさと厳しさの間で悩みながらも、ショー大佐も指揮官として成長していくのです。
上司としての本当の優しさとは何かを考えさせてくれる作品です。
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「アパッチ砦」
南北戦争終結後における、騎兵隊とインディアンの戦いを描いた作品です。
物語は、アパッチ族との戦いが続く「アパッチ砦」に、騎兵隊の指揮官サースディ中佐(ヘンリー・フォンダ)が赴任してくるところから始まります。
このサースディ中佐はエリート意識が強く、自分がアパッチ砦へやってきたことは左遷だと捉えています。
階級の序列意識が強く、規則を厳格に適用し、自分の思い通りにならないと気が済まない性格で、上司にしたら確実に面倒くさいタイプですね。
さらに厄介なのが、名誉欲が強く功名心の塊ということです。
左遷された自分の地位を取り戻したいという焦りから、インディアンに対して強硬的な態度で望み、わざわざ戦いの火種を作り出します。
さらに、敵が待ち伏せしている地点に無謀な突撃を命令し、部下に多数の犠牲者を出してしまいます。
そのことを事前に警告した現場経験の豊富な部下に対しては、上官への反逆ということで軍法会議にかけようとします。
手柄を上げるためには部下を犠牲にすることも厭わない、絶対に上司にいてほしくないタイプの人間ですね。
いつの時代も、上層部の失策の犠牲になるのは現場の人間なのです。
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「突撃」
第一次世界大戦における軍隊組織の不条理を描いた、スタンリー・キューブリック監督の反戦映画です。
無謀な突撃作戦を命令した将校が、作戦失敗の責任を全て部下に押し付けるという、ブラック企業も真っ青なストーリーが展開していきます。
本作に登場するフランス軍のミロー将軍(ジョージ・マクレディ)は、手柄を立てて出世するために、防御堅固なドイツ軍要塞(通称:アリ塚)への無謀な突撃作戦を強行します。
案の定、兵士たちはおびただしい犠牲を払い作戦は失敗するのですが、ミロー将軍は失敗の責任を兵士に押し付け、「臆病の罪」で3人の兵士を軍法会議にかけて処刑しようとします。
一般の会社でも、現場から遠い所にいる人達が理不尽な命令を下し、失敗の責任を全て現場に押し付けるようなことをしたら、現場の人間は一気にやる気を失っていくでしょう。
本作では、絢爛豪華な屋敷で無意味な会議に終始する将軍と、泥にまみれて死んでいく現場の兵士の対比が描かれており、組織の上層部にいる人間たちの冷酷さがより際立つようになっています。
一方で、現場指揮官のダックス大佐(カーク・ダグラス)は、軍法会議で兵士たちの弁護に立ち、何が何でも部下を守ろうとする姿勢を見せます。
こうしたダックス大佐の高潔な姿勢も本作の見どころであり、理想の上司の姿を感じ取ることができます。
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「アンダー・ウォー 史上最大の地下爆破作戦」
第一次世界大戦中の1917年にベルギーのメシヌ高地で行われた、人類史上最大規模の地下坑道爆破作戦を題材にした作品です。
ここで行われた地下坑道爆破作戦は、第一次世界大戦の戦い方の主流となっていた塹壕戦の行き詰まりを打開するための作戦です。
塹壕戦においては、生身の歩兵の突撃によって機関銃を据え付けた強固な陣地を攻略することは非常に困難であり、突撃を行うたびに大量の犠牲者を出していました。
そこでイギリス軍が考えたのが、自軍の塹壕から敵の塹壕の地下まで坑道を掘り進めて、爆薬を仕掛けて敵の塹壕を吹き飛ばすという作戦です。
そしてこの作戦のために抜擢されたのが、イギリスの炭鉱夫たちだったのです。
イギリスは厳格な階級社会であり、貴族出身の将校は「戦場に来ても穴掘りか」と、彼らの任務を侮辱したりします。
それでも彼らは、黙々と自分の任務をやり遂げていきます。
炭鉱で働いていた主人公・ウィリアムは、この任務を遂行する理由を、将校のためではなく「俺らみたいな捨て駒のためにやる」と語っています。
平民から志願した一般兵士が無謀な突撃をしなくても済むように、この任務に取り組んでいるのです。
産業革命以前からイギリスの経済を支え、今度はより多くの同胞の命を救うという、彼らの職業人としてのプライドを感じますね。
最近仕事のモチベーションが上がらないという方も、「この仕事は誰のためか?」ということを再確認すれば、何かが変わるきっかけを掴めるかもしれません。
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「西部戦線異状なし」(1930)
第一次世界大戦でドイツ軍に志願した若者たちの姿を通じて、戦争の過酷な現実を描いた反戦映画です。
原作となった同名小説はドイツでベストセラーとなりましたが、ナチスの台頭に伴い反戦的だと批判を受け、著者のエーリヒ・パウル・レマルクはドイツ国籍を剝奪されています。
本作では華々しい戦闘描写などはほとんど無く、塹壕の中で飢えに苦しみながら砲弾の音におびえ続けたり、足を失った若者が嘆き悲しんだり、敵兵を殺したことで自責の念に駆られたりといった、戦争の過酷な現実が真正面から描かれています。
その一方で、盛んに愛国心を煽り若者を戦場に送る老教師や、酒場で机上の戦略論を得意げに語りあう老人たちなど、戦争の現実を知らない人間たちの無責任で能天気な言動も描かれています。
いつの時代も、好き勝手に物事を語るのは現場から離れたところにいる人間であり、最も現実を理解しているのは現場で奮闘している人間なのです。
現場で戦うドイツ軍の兵士たちも、自分たちを戦わせることで権力者が利益を得ていることに気が付いていきます。
そのことに不満を持った1人の古参兵が、次のように語ります。
「戦争がおきるときは 広い所にロープを張り 王様や政治家や将軍やらを 下着姿にさせてこん棒で戦わせるんだ」
このセリフは、社畜サラリーマンならとても共感できますね。
自分たちの出世欲のために現場を犠牲にする上層部の人間に対しては、「まず、お前らがやってみろ!」と言いたくもなりますよね。
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まとめ
この記事では、「サラリーマンに刺さる戦争映画」として、近代戦争を題材にした洋画の中から5つの作品を紹介していきました。
作中で描かれている、現場で必死に戦う兵士たちの姿は、社畜サラリーマンにも共感できる部分が多々あるのではないでしょうか。
今回紹介した作品をヒントに、組織の中でも自分を見失わない生き方をしていきたいですね。
- 「グローリー」
- 「アパッチ砦」
- 「突撃!」
- 「アンダー・ウォー 史上最大の地下爆破作戦」
- 「西部戦線異状なし」(1930)
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